「感覚過敏」という言葉をご存知ですか?
視覚や聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの
感覚が過敏に反応し、
日常生活に困難さを抱える状態をいいます
お子さんと一緒にいて、
「スーパーの騒音に耳をふさぐ」
「強い明かりが差すと目をふさぐ」
「人に触られることを異様に嫌う」
「味やにおいに敏感で偏食が多い」など
といった様子は
感覚過敏から来ている可能性があります
今回は、
「感覚過敏」と「感覚鈍麻」の特性や原因、
その対策などについてご紹介します
お子さんに気になるご様子がある方は、
ぜひ最後までお読みください
感覚特性とは
発泡スチロールが擦れる音が苦手、
柔軟剤のにおいが苦手など、
音・におい・触り心地・味などの
感覚に「苦手」と
感じるものはありませんか?
逆に、お気に入りのタオルの肌触りや、
お香のかおりなど
好きな感覚がある方もいるかと思います
特定の感覚に対する
苦手得意・好き嫌いは
誰しも持つものですが、
この「感覚」が、
自閉症スペクトラム症(ASD)が
ある子の場合、
耐え難い苦痛や大きなストレスに
なることがあります
程度や症状の現れ方は
人によってそれぞれ違いますが、
感覚の過敏や鈍麻という、
特定の刺激に対しての
敏感さ・鈍感さがあることがあります
「感覚過敏」と「感覚鈍麻」とは?
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、
生まれつきの脳機能の偏りで
みられる発達障がいのひとつです。
ASDのある子どもは、
周囲の人と同じ感覚情報を
受け取っていても、
脳が異なる捉え方をすることがあります
刺激に対する感覚を
脳が過敏に受け取ってしまうことで、
些細な刺激であるにも関わらず、
日常生活に支障をきたすほどの
苦痛を感じることがあります
また、好きな感覚を得るために、
常同行動
(指をしゃぶる、飛び跳ねる、
手をひらひらさせる、大きな声を発するなど
繰り返し行う行動)
をすることがあります
生活に困難さが生じるほど、
感覚が非常に敏感であることを
「感覚過敏」といいます
例えば、
「聴覚過敏」は
特定の音
「触覚過敏」は
特定の肌触りの衣服を着ること
「視覚過敏」は
日差しが強く差す屋外にいること、
などに苦手さが見られることがあります
反対に、
感覚に著しい鈍感さがあることを
「感覚鈍麻」といいます
例えば、
「触覚鈍麻」は
骨折をしても
痛みに気づかないなどがあります
感覚特性の代表的な例を紹介します。
下記に紹介する具体例の中には、
感覚過敏のない方にも
当てはまりそうなものも多くありますが、
日常生活に支障をきたすほどに
その症状がみられる場合のみ
「感覚過敏・鈍麻」に該当します。
感覚過敏の例
◆ 視覚:特定の視覚刺激
(光や色)が 苦手、敏感
- 太陽光や照明が異常に眩しく感じる。
痛みを伴うこともある - スマホ・PCの明かりが強く感じられ、
目の疲労や痛みを伴うこともある - 白い紙を見ると目がチカチカする。
書いてある文字が読みづらい - 目から入る情報が多いと混乱することや
体調を崩すことがある
◆ 聴覚:特定の聴覚刺激
(音)が苦手、敏感
- 会話の声や人が立てる物音に対し、
過剰に反応をしてしまい、
疲弊することがある - 雑音に敏感で、集中できなくなる、
注意がそれることがある - 掃除機・冷蔵庫などの家電の音や
時計が進む音などが気になり、
耐えられない - 電車や車の通る音や工事の音に対し
激しい苦痛を感じる - 予期しない音や大きな音で、
不安やパニックになる
◆ 触覚:特定の触覚刺激
(皮膚から感じる刺激)が苦手、敏感
- 特定の衣服の肌触りが苦手で、その素材の服を着ることができない
- 洋服のタグや縫い目が気になり、苦痛に感じる
- 肌が濡れる・汚れることを極端に嫌う
- 人から触られることに抵抗感がある
◆ 嗅覚:特定の嗅覚刺激
(におい)が苦手、敏感
- タバコ、化粧品、インク等のにおいを感じると、体調が悪くなる
- 動物園、化粧品売り場、商品売り場など苦手なにおいがある場所にいることが耐えられない
- 他の人が気づかない、わずかなにおいにも気づく
◆ 味覚:特定の味や食感への
こだわりがある
- 特定の食べものしか食べない、
偏食がある - ねばねばしているもの
サクサクしているものなど、
特定の食感を嫌がる - 苦みや甘みなど特定の味を嫌がる
感覚鈍麻の例
◆ 痛覚:痛みに対して鈍感
- 大きな怪我に気がつかない
◆ その他
- 空腹感や疲労感に気が付かない
- 暑さ・寒さを感じない
- 熱いものに触れても気が付かない
まとめ
感覚特性は、
生まれつきの
脳機能の偏りにより起こっているため、
その症状を直すことは
難しいと言われています
苦手な食べ物を食べさせる、
触られるのが嫌なのに手をつなぐ、
強い日光や雑音が苦手なのに、
屋外で遊ばせるなど、
お子さまが苦痛を感じていたり、
抵抗をしていたりすることは、
無理にさせようとしないようにしましょう
「苦手」を直すのではなく、
「苦手」を軽減させるための
対処法や工夫を考えることや、
少しずつ計画的に
「苦手」な感覚に慣れさせていく
アプローチが必要になってきます
お子さん一人ひとり異なる特性を
踏まえた対応方法を見つけることで、
お子さんの「生きやすさ」を
目指すことができます
お子さんの特性への理解を深めたい、
特性へのアプローチ方法を
見つけたいという方は、
ばらの公式LINEよりご相談ください
それではまた、お会いしましょう!
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