発達凸凹っ子の「こだわり行動」とは? 

こだわりが強く、延々とミニカーを
並べて遊んでいます

どうしたらいいでしょうか?

「こだわり」は定型発達の子どもにも
見られますが、

自閉症スペクトラム障害の子どもは、
特に強い「こだわり」を
持っていることが多いです

ここでは、そんな「こだわり行動」の
種類や原因、対処法をご紹介いたします

日々こだわり行動で困ってるという方は、
ぜひ最後までお読みください

「こだわり」の種類

「こだわり」には次のような
7つの種類があります

  1. 常同行動
    手指を奇妙に動かしたり、
    くるくる回るなどの
    全身運動を繰り返す
  2. 自傷行為
    怒ると拳で鼻を強く叩くなど、
    自分の身体を傷つける  
  3. 強迫行動・儀式的行動
    決まったやり方や順序
    ものごとをしないと気がすまず、
    特定のキャラクターの
    スプーンでないと食事を食べない 
  4. 同一性保持
    持ち物の位置や家の様子、
    人の髪形など、
    環境の細かい部分が
    変わることに抵抗を示す
  5. 興味の限局
    くるくる回るミニカーのタイヤに
    固執するなど興味が
    非常に限定的で固執する  
  6. 手順・順番
    カーテンを開けるのは
    自分でないとだめなど
    手順や順番に固執する
  7. ペースに対するこだわり
    自分のペースでやりたがり、
    途中で中断されると怒るなど
    自分の心地よい
    行動のスピードへの固執 

複数の種類の「こだわり」が
組み合わさる場合もあります

・夜中に長時間のドライブをしたがる
 =強迫行動・儀式的行動+同一性保持

・特定の子どもと遊びたがり、
 相手が嫌がって泣いても、
 その子の手を引っ張って遊ぼうとする

 =強迫行動・儀式的行動
  +同一性保持+興味の限局

・保育園のドアの開閉ばかりを
 気にして、室内にいることができない

 =強迫行動・儀式的行動
  +同一性保持+興味の限局

なぜ「こだわり行動」が生じるのか?

「こだわり行動」の原因は
いくつかあります

自閉症スペクトラム症の子どもの
「こだわり行動」は、

「なぜそれがしたいの?」
言いたくなるくらい奇妙で
強烈であることがあり、

周囲の大人はやめさせたいと
感じることがあると思います

しかし上記のように、


「こだわり行動」の原因には、
自閉症スペクトラム症の子どもの
特性による「つらさ」があり、

「こだわり行動」が
子どもの心の拠り所になっている
という側面があります

変えなくてもいい「こだわり行動」と変える必要がある「こだわり行動」

なので、

すべての「こだわり行動」を
やめさせようとするのは、
適切ではありません

「こだわり行動」が子どもの
心の拠り所であるならば、

慎重に、そして大切に
対応してあげたいのです

とはいえ、
変えてもらわねばならない

「こだわり行動」もあります

それは、本人や周囲の人達の
生活を脅かし、

生活しづらくさせる行動です

  1. 本人や家族の安全や健康を
    害するもの
  2. 破壊行動
  3. 周囲の人に多くの時間や費用を
    かけさせるもの
  4. 「こだわり行動」があるために、
    本人の社会参加や経験の獲得が
    困難になるもの
  5. 周囲の人の活動等が妨害されるもの

「こだわり行動」への対応

「こだわり行動」に対しての対応は
以下にご紹介します

1.「こだわり行動」を
 誘発する要因を排除する

 水道の蛇口を見ると
 水遊びをしてしまう
「こだわり行動」は、

 蛇口を見えないようにするなどです

2.「わからなさ」や不安や
 不快をできるだけ減らす

 安心を求めて「こだわり行動」を
 している場合は、

 生活の中のストレスを
 できる限り減らすことを考えます

 工夫をすることで、
 子どものストレスや不安を減らし、
 安心できるような工夫をします。

  • 日常生活を注意深く観察し、
    感覚的に嫌な刺激を取り除く、
  • イラスト使うなど、
    見て「わかる」を増やす、
  • 子どもが脅威に感じるような
    関わりはしない 

 など工夫をすることで、


 子どものストレスや不安を減らし、
 安心できるような工夫をします

3.「こだわり行動」が
 定着しないようにする

 例えば、車のドアの開閉ボタンを
 押したいと子どもが泣き叫んだとき、

 「急いでいるから騒がれたくない」と、
 「今日だけだよ」とボタンを
 押させたとします

 すると、車に乗るときは
 ボクがボタンを押すとドアが
 開くという一連の行動が
 記憶に定着してしまい、

 その後、「車に乗るときは
 開閉ボタンを自分が押す」ことが

 「こだわり行動」に
 なってしまうことがあります

 子どもは「今日だけ」
 「〇〇な時」はやっていいという条件が
 理解できないことが多いので、

 困った「こだわり行動」を防ぐには
「この行動を毎日要求されたら困る
 行動は最初からさせないことが大事です

 もしさせてしまったら、
 その行動ががっちりと
 定着してしまわないように意識して、

 同じ状況を作らないようにしましょう

4.わかる刺激、楽しめる刺激を探す

 「楽しめる刺激がないから
 こだわり行動をする」場合は、

 その子がわかる刺激、
 楽しめる刺激を探します

 特に知的な発達がゆっくりであったり、
 比較的重度の自閉症スペクトラム症の
 子どもの場合、
 
  意思疎通が難しいこともあって、
 わかる刺激、楽しめる刺激が
 見つかっていないことがあります

 子どもがわかる刺激、
 楽しめる刺激を探しながら

 子どもに関わる中で
 それが見つかったら、

 その刺激を受けられるような
 環境や関わりを用意します

 例えば風のそよぎを
 心地よさそうにしていたら、

 そよ風が吹いているときは
 窓辺に連れていく、
 団扇で風を起こしてみるなどです

5.代替行動を提案する 
 
 「こだわり行動」は子どもにとって
 意味があるので、

 これをただ「ダメ!」と禁止すると、

 彼らは時にパニックに陥ったり、
 親子の関係が悪くなります

 そうならないためには、
 できる限り、「代わりになる行動」を
 提示することを考えます

 例えば、

  •  蛇口を見ると
     水遊びを始めてしまう子どもには、
     風呂掃除の手伝いをお願いする
  •  箸を持つと茶碗を
     叩いてしまう子どもには
     おもちゃのドラムや和太鼓を
     用意する

 など代替行動をするようになると、

 それまで一つの「こだわり行動」に
 向けられていたエネルギーが減ります

 代替行動の定着を図り、

 それまでの強いこだわり行動を
 減らすことを
 意識しながら関わることで、

 徐々に「こだわり行動」が
 減っていくようにします

6.「こだわり行動」を大切にする
 
 「こだわり行動」は
 どんな原因によるものであっても、
 基本的にその子の「好きなこと」です

 それはやがて趣味や特技へと
 育つかもしれません

 また、「好きなもの」は人生を支えます

 だから子どもの「好きなこと」を
 大切にして、子どもが「好きなこと」を
 持てるようにしてあげたい

 「こだわり行動」はその子の「好き」を
 見つけるヒントと思って、

 「こだわり行動」を見守り、
 時に一緒に楽しむ、
 という視点を持ちたいですね

例題『積み木を並べ続ける「こだわり行動」への対応』

今回「積み木を並べ続ける」
「こだわり行動」には

どう対応したら一緒に考えてみましょう!

  1. 修正する必要がない場合

    「積み木を並べ続ける」だけ
    であれば、

    本人や周囲の人たちの生活を
    脅かすことはないので、

    あえてやめさせなくてもいいと
    私は思います

    やってみていただきたいことは、
    「この子はこれの何が好きなのかな」

    という目でじっくりと
    その行動を見ることです

    じっくり見て、
    数多のものや出来事の中から

    その子がその「こだわり」の
    ものやことがらを選んだその理由を、

    例えば整然と並んだ秩序の美なのか、
    並べるときの緊張感なのかなど、

    あれこれと考えてみてください

    自分の「好きなこと」に
    親が興味を持ってくれる、

    それは
    子どもにとってうれしいことです

    そのような関わりを続ける中で、
    いつか、子どもと一緒に
    別の新しい遊びや行動を
    見つけられるかもしれません
  2. 修正が必要な場合

    しかし、深夜まで
    「積み木並べ」をやる、

    他の遊びや活動に一切参加しない、
    いつも積み木を買ってほしがる
    などの場合は、

    「こだわり行動」を
    修正する必要がありますよね

    ただし、
    無理にやめさせることはせず、
    代替行動を探しましょう

    子どもの側の事情がある中で
    無理にやめさせようとしても
    うまくいきませんし、

    子どもとの良好な関係が
    維持しにくくなります

    「並べる」ことに
    「こだわり」があるのであれば、

    代わりの行動として、
    玄関の靴をきちんと並べる、
    キッチンのスパイス容器を並べる、

    といったことを
    お手伝いとしてお願いするのも
    ひとつの方法だと思います

まとめ

「こだわり行動」については、

①原因を探る

②その子にとっての「こだわり行動」の
理由を知る

③変える必要があるかどうかを判断する

④代替行動にシフトさせていく、
 ことが対応の基本になります

もし、この記事を読んで
わからないことがあれば

ばらの公式LINEよりご相談ください

それではまた、お会いしましょう!

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