子どもの言動で、「白黒はっきりさせないと気が済まない」「1つの失敗で自己否定してしまう」
「曖昧な状況が苦手」などの傾向が気になりませんか?
もしかするとお子さんは、
物事を「白か黒」「0か100」で考える「白黒思考」をもっているのかもしれません
白黒思考をもっている子どもは思い込みが強いので、ママが「そんなことないよ」
「大丈夫だよ」と言っても、なかなか受け入れられません
白黒思考によって生きづらさを感じている我が子を見るのは、つらいですよね
今回は、4~6歳の子どもにみられる白黒思考の特徴と親子でできる対策をご紹介します
悩める親御さんは、ぜひ最後までお読みください
白黒思考とは?
白黒はっきりさせないと気が済まない考え方のことを、心理学用語で「白黒思考」といいます
白黒思考をもっている人は、物事を「白か黒か」「良いか悪いか」「0か100か」といった、
両極端に位置する2択のみで考え、どちらにも属さない曖昧な状況に不安を感じます
白黒思考は認知のゆがみの1つで、考え方のクセともいえます
実際には白と黒の間はグラデーションになっていて、いろんな考え方ができるのに、
白と黒しか見なくなってしまうのです
白黒思考に陥ると、視野が狭くなり、周りの意見を受け入れづらくなります
理想と現実のギャップに落ち込み、ネガティブな感情から抜け出すことが難しくなる可能性もあります
白黒思考は将来の生きづらさにもつながります
白黒思考の子どもの特徴
「白黒思考」になる子どもにはどのような特徴があるのでしょうか
以下を参考にしてみてください
- 物事を「良いか悪いか」「成功か失敗か」に分けて考える
- たった1つの良くないことが気にかかり、ネガティブな感情から抜け出せない
- 曖昧な状況が苦手ですぐに答えをほしがる
- お友達とトラブルがあると「自分は嫌われた」と思ってしまう
- 小さな失敗をしたり少し注意されたりすると「自分はダメだ」と思ってしまう
- 何事も完璧にこなさないと気が済まない
白黒思考の子どもは、1つでも良くないことがあると、全て悪いと考えます
「いつも~だ」「絶対~だ」など、決めつける言葉が多いのも特徴的です
曖昧な状況が苦手で、中途半端な言動をとる人を許せないこともあるでしょう
ある1場面だけを切り取って、間違った思い込みをしてしまうこともよくあります。
例えば、お友達が自分の方を見て話しているだけで「悪口を言われている」と思ったり、
ママに少し注意されただけで「ママに嫌われた」と思ったりしてしまうのです
さらに、完璧主義は白黒思考の特徴の1つです
小さな失敗をしただけで完全な失敗だと考える子どもは、常に100点を目指す
完璧主義になりやすいと言われています
失敗に目が向いてしまうので、できているところを褒められても、なかなか受け入れられません
子どもが、白黒思考になる要因
子どもが白黒思考になる3つの要因についてご紹介します
以下のような要因が一つのこともありますが、複数関係していることもあります
経験不足
子どもが白黒思考になる要因の1つは、経験不足です
大人は、今までに自分が経験してきたことや、一般的に言われていることを総合的に考えたうえで、
判断や決断をします
しかし、経験が少ない子どもは、判断材料になる経験値が少ないので偏った考え方をしがちなのです
また、経験が少ないと、「好きか嫌いか」「受け入れられるか受け入れられないか」といった
感情で判断することが多くなるでしょう
経験が少ない子どもは、発達面から考えても、様々な角度から物事を捉えることが難しいのです
白と黒に分けたがるのは、白と黒しか知らないからかもしれません
養育環境
子どもが白黒思考になる要因の2つ目は、養育環境です
親のしつけが厳しすぎたり、親が過干渉だったりすると、子どもは白黒思考になりやすいといわれます
例えば、親が子どもに対して、少しの失敗も許さず成果を上げたときだけ褒めると、
子どもは物事を0か100かの2択で判断するようになり、完璧以外は失敗と考えるようになりやすいです
また、親が子どもに干渉しすぎて、失敗を含む様々な経験の機会を奪っていることも考えられます
経験不足が白黒思考の要因になることは、先ほどお伝えしたとおりです
また、ママ自身が完璧主義だったり、「こうあるべき」という思い込みが強かったりと、
白黒思考にとらわれている可能性もあるでしょう
子どもには柔軟に考えることを教えていたとしても、ママの思考パターンは
子どもに伝わっているかもしれません
発達障がい
発達障がいが白黒思考の要因になっていることもあります
「白黒つけたがる」「曖昧なことが苦手」というのは、発達障がい、
特に自閉症スペクトラム(ASD)の特性の1つです
ASDの子どもは、特定のことへの関心やこだわりが強いという特性をもっています
そのため、好き嫌いがはっきりしており、ルールを完璧に守ることにこだわる子どもが多いのです
また、想像力が弱いため曖昧なことが苦手で、白か黒かのどちらかで考えたがります
ASDの子どもは、考えが主観的になりやすく思い込みが強いのも特徴的です
「白黒思考」の子どもに対してできること
子どもが自分の気持ちを知るように助ける
白黒思考をもっている子どもに対してまずすべきなのは、子どもの話をよく聞くことです
根拠もなく「そんなことないよ」「大丈夫だよ」と言っても、子どもは納得しません
子どもが白黒思考に陥っていたり、ネガティブな感情から抜け出せなくなっているときには、
子どもが自分の気持ちを客観的に見られるように助けてあげるのです
曖昧さに不安をもっているなら、その気持ちに寄り添い、共感してあげましょう
子どもの気持ちを代わりに言葉にすることで、子どもが自分の感情を認めることができ、
白黒思考のループから抜け出すきっかけになることがあります
考え方のクセを直すように助ける
子どもの気持ちを聞いてあげた後は、状況を違う角度から見られないか一緒に考えてみます
思い込みには「~かもしれない」のワードを使うと効果的です
例えば、「私はこう思う。けれど他の人は違うかもしれない」
「今回は失敗してしまった。今日は調子が悪かったからかもしれない」といった具合です
「いつも」「絶対」という言葉には、「今日は」「今回は」など、条件を付けてみると
違う見方をしやすくなります
見方を変えることで、白黒思考のループから抜け出し、次に気持ちを切り替えられるように
助けていきましょう
いろんな体験をさせる
白黒思考をもっている子どもには、いろんな体験をさせてあげましょう
子どもは誰でも経験によって成長していくものですが、視野が狭くなりがちな
白黒思考の子どもにとって、経験は特に大切です
失敗から立ち直る体験や、考え方を変えても大丈夫だった経験は、子どもが思い込みの殻を
破る力になるでしょう
白黒思考の子どもは不安感が強い傾向にあるので、ママが一緒にいてあげることも大切です
安心できる環境でたくさんの経験をさせてあげましょう
まとめ
行き過ぎた白黒思考は生きづらさにつながりますが、自分の中で判断の基準が
はっきりしていることや、決断力があることは素晴らしいことです
白黒はっきりさせたいというお子さんの気持ちに寄り添いつつ、無理なく
考え方を変えられるよう手助けしていきましょう
子どもが小さいうちに親子でたくさんの体験をして、世の中には白と黒に分けられないものが
たくさんあることを伝えていけたらいいですね
お子さんの特性への理解を深めたい、特性へのアプローチ方法を見つけたいという方は、
ばらの公式LINEよりご相談ください
それではまた、お会いしましょう!
コメント