3歳児の叩く、つねる、押す…「手が出る行動」への適切な対処法!

きょうだい喧嘩が始まると、すぐに叩き合いになってしまう…
上手くできないことがあると、泣きながらママを叩く

このような我が子の行動に、お困りではありませんか?

何度言っても手が出るため、このままお友だちに怪我をさせてしまったら、どうしよう……と
追い詰められてしまうママも少なくないのではないでしょうか

子どもが叩くのには原因があると言われていますが、それは必ずしも「親が叩くから」や
「愛情不足だから」とは限りません

今回は、3歳くらいの子どもの「手が出てしまう」原因と望ましい対応についてご紹介します
ぜひ、最後までお読みください

手が出てしまう原因とは

叩いたり、押したり、つねったり……子どもが手を出してしまう場面は様々です

大人からすると「言葉で言ってくれればいいのに!」と思うところですが、
子どもには子どもなりの理由があります

子どもが手を出してしまう原因は、いったい何でしょうか

「制裁」の意味で叩く

まず確認しておきたいのが、子どもが手を出すときは、理由があるということです

子どもは理不尽な状況や不愉快な思いに対してダメだ!という意味で叩いたり、
押したりしているというのです。

言語能力が発達し、自分の気持ちを言葉にできるようになってきたとはいえ、
感情のコントロールも苦手なので、「手っ取り早く自分の要求を通す手段」として、
手が出てしまいがちです

本人が叩かれる環境に置かれている

2つめの原因として、本人を取り巻く環境で「叩く」「押す」「つねる」といった行為が
常態化していることが挙げられます

躾のために親が叩くのはもちろんのこと、きょうだい喧嘩などもそれに当たるので、
振り返ってみましょう

とくに、歳の近いきょうだいの場合は、「口で勝てないから押し倒す」
「やり込むために叩く」といった具合に、手が出がちです

暴力での脅しに成功体験を重ねると、子どもはおのずとその手段を選ぶようになりますので、
早めに対処が必要です

甘えたい気持ちを発散している

3つめの原因として挙げられるのは、親への甘えたい気持ちを「叩く」といった形で
発散している場合です

とくに、園では手が出ないのに、家だけでそのような行動が見られる場合は、
この傾向が強いと言われています

他者への認識の強まりとともに、「自分の思い通りにしたい。けれども、全てが叶うわけではない」
という葛藤の中にいる3歳児

いけないことだとはわかっていつつ、「どうしてわかってくれないの!」と、
共感してほしい思いから手を出してしまうことがあります

これも、原因の1つめに挙げた「意にそぐわない状況への制裁」と考えることができます

「愛情不足なのかな?」と心配になってしまいますが、
子どもの心がどんどん成長している証でもあるので、安心してください

子どもにとって家庭が安心できる場所なのは素晴らしいことです

頭ごなしに叱るのではなく、外で頑張っている子どもの気持ちを受け止めながら、
違う形で発散するよう促しましょう

ポイントは、条件付きの愛情にならないよう、「ママはあなたが大好きよ」というように、
子どもの自己肯定感を高める声掛けをすることです

そして、”ここぞ!”というタイミングは逃さないよう、子どもが「ねえねえ」と声を掛けてきたときは、目を見てしっかりと向き合うことが大切です

叩かれたらときのNG対応

まず、避けたい「NG対応」4つをご紹介します

「威圧的に叱る」はNG!

子どもが手を出したとき、つい大きな声で「コラ!」と叱っていませんか?

ガツンと叱った方が効果的かと思いきや、大きく怖い声にビクッと驚いて怯むだけで、
実は本質的な効果はそれほど見込めません

それだけでなく、その後の注意の言葉が耳に入りづらくなり、「なぜいけないのか」を
考える余裕まで潰してしまいます

また、泣くほど叱ったり、謝ることをゴールに設定しないことも重要です

泣いて謝る姿を見ると、一見反省しているように思えますが、3歳くらいの子どもは「怖かった」の記憶が優先的に残ってしまいます

「真剣に取り合わない」はNG!

子どもに叩かれたとき、実際、大して痛くない場合もありますよね
そんな時でも、何事もなかったかのようにスルーしたり、軽く受け流さないよう気をつけましょう

とくに、きょうだい喧嘩の中で手が出ることは「子ども同士だから当たり前」と思ってしまい、
意外と見過ごされがちですが

今はまだ許容範囲であっても、「どこまでならOKか」は、幼い子どもには見当がつかないため、
徐々にエスカレートしてしまうこともあります

望ましくない行動があった時点で対処しましょう

「泣きマネをする」はNG!

子どもに叩かれたとき、泣きマネをして事の重大さを伝える方も多いかもしれませんが、
この対応も望ましいとは言えません

初回に取り入れてみて、びっくりしてやめるのであれば効果的だったといえますが、
その後も叩く行動が収まらないようであれば、やめましょう

3歳の幼い子どもと言えど、ウソ泣きしているのを見抜きます

また、繰り返しているうちに耐性がついてしまいます
子ども自身も、都合が悪くなったときに泣きマネをして乗り切ろうとするなど、
デメリットが大きくなるので避けるのがベストです

「親が叩いて教える」はNG!

子どもが叩いたとき、同じ痛みを経験させて、わからせようとするのはNGです

「体罰でしつけるのはよくない」と頭で理解していても、何度注意しても叩く行為が続くと
「どうしたら叩くのはダメとわかってくれるだろう」と必死になってしまいますよね

しかし、「子どもが叩いてしまう原因」でもご紹介したとおり、本人が叩かれる環境におかれることは、叩いてしまう悪循環を生み出します

友だちやきょうだいに対して、同じように「ダメな行動だとわからせるため」に
同じ行動をとることにもつながるので、避けましょう

叩かれたときのOK対応

では、実際に子どもが叩いたとき、どのように対応すればよいでしょうか?

効果的な方法を3つご紹介します

行動を止める

子どもが叩いたとき、まずは手を押さえるなどして行動そのものを止めます

そして、毅然とした態度で手短に「叩きません!」と伝えます

「叩いちゃダメ」や「叩くと痛いよ」など、制止させるための言い回しは様々ありますが、
まだまだ幼い3歳児には、望ましい行動を「短く・わかりやすく」伝えるのがおすすめです

興奮が収まらず、ひどく叩くような場合は、ギュッと身体を抱きしめて落ち着かせるのも有効です!

叩いた理由を聞く

次に、なぜ叩いてしまったのか、子どもに理由を聞きます

子どもの心の中に伝えたい気持ちはあっても、どのように伝えたらいいのかわからず、
泣いてしまうこともあるかもしれません

「〇〇が嫌だったの?」「△△したかったの?」と気持ちを言語化させられるようサポートをしながら、お話を聞きましょう

これは、子どもの行いを責めるのではなく叩かない選択肢として言語化させる訓練
ひとつです

回数を重ねるごとに自分の想いを言葉にできるようになるので、
穏やかな口調で忍耐強く付き合うことが大切です

端的な言葉で「どうするべきか」を伝える

子どもに叩いた理由を聞いたあとは、「〇〇が嫌だったんだね。だから叩いちゃったんだね」と、
子どもの気持ちを一旦受け止めるステップが大切です

共感の姿勢を見せることで子どもの心も落ち着き、その後の話合いがスムーズになります

その上で、叩くのはいけないこと、そのようなときはどうしたらよいのか
望ましい行動を端的な言葉で伝えると良いです

集中力や記憶力がそれほど長続きしない時期なので、時間を掛けて叱らず、
要点を絞ることを意識しましょう

そして、子どもが重要なときこそしっかりと耳を傾けてくれるよう、
叱り方の習慣を見直すことも大切です

叩かれたらときの対応のポイント

ここからは、手が出る子どもとの向き合い方について、対応のポイントを3つご紹介します。

適切な対応をしたからといって、すぐに効果が出るものではありません。

日々の暮らしの中で、以下の3点を意識しながら、ゆとりを持って成長を見守りましょう。

叩きたくなってしまったときの対処法を教える

子どもの手が出る問題に対しては、対症療法よりも事前の予防が重要です

何度も叩く行為を繰り返してしまうときは「叩くのではなくて、どうするんだっけ?」というように、子どもに考えさせる声掛けをしましょう。

また、日頃から「叩いてはいけない」ことを口頭で説明しておくことも効果的です

「もしお友だちに叩かれたら、怒ってもいいけど、叩き返したらいけないよ。叩き返さずに、
言葉でやめてと伝えようね」というように、子どもが落ち着いている状態のときに伝えましょう

夫婦で対応を統一させる

子どもが叩いてしまったときの関わり方について、お父さんとお母さんの対応を統一しましょう

お父さんを叩いたら大きな声で叱られたのに、お母さんは「えーん」と言ったとなると、
子どもは混乱してしまいます

「どのような場面でも、誰でも叩くことはいけない」ということが子どもに伝わるよう、
毅然とした態度で対応しましょう

また、いつ・どのような場面で子どもの手が出るのか、メモをとり共有しておくことも大切です
どのような場面で手が出るのかが予想できるようになれば、未然に防ぐことができます

普段叱らない人にも協力してもらう

子どもの手が出る行動がなかなか収まらないときは、祖父母や園と連携するのも有効です

最近手が出て困っていること」「どのような場面で出やすいのか
手が出たらどのように声掛けしてほしいか」を伝えておきましょう

とくに、祖父母は親御さんの子育てのやり方を尊重し、子育てに口出ししない
スタンスであることも少なくありません

いつも子どもを叱るのが親御さんである場合、普段叱らないようなおじいちゃん・おばあちゃんに
真剣に注意されることで、事の重大性に気づくこともあります

事情を話して、協力してもらうのもオススメです

まとめ

子どもが手を出してしまう問題は、親御さんにとって深刻な悩みですよね

「お友達を怪我をさせてしまったらどうしよう」と思うと、気長に見守るのは難しいかもしれません

しかし、3歳くらいの子どもは、誰かを痛めつけてやろうと思って手を出すというより、
自分の不快な気持ち、納得できない状況への抗議である場合がほとんどです

叩きたくなってしまったときの正しい対処法を学び、叩かなくても自分の気持ちを
わかってもらえることに気がつけば、徐々に手が出る回数も減っていきます

発達の具合は十人十色です
考えすぎず、根気強く子どもと向き合っていきましょう


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それではまた、お会いしましょう!

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